忘れない
雨の日曜日。
いつも通り私は座席に座って彼を待っていた。
(そろそろかな…)
読んでいる小説を鞄に閉まって彼が乗って来る入口を見つめていた。
けど…。
彼は乗って来なかった。
次の日も…。
また次の日も…。
アルバイトの無い日も私は彼に会いたくて電車に乗って待ってた。けれど彼は一週間、私の前に姿を見せなかった。

(どうしたんだろう…?)
心配になる。
きっと仕事が忙しいんだろうと思っていたけど、日にちがどんどん過ぎて行く事がとても怖くなって、彼の身に何か有ったんじゃないかって余計な心配をしている自分が居た。
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