ケータイ恋愛小説家
どれぐらい眠っていたんだろう。
しばらくして、どうしようもないほどの喉の渇きを覚え、目を覚ました。
熱のせいで、まだおぼつかない足取りでキッチンへ向かう。
キッチンの横のリビングでは美雨ちゃんが誰かと電話している最中だった。
「うん。昨日はありがとうねー。すごく楽しかったぁ」
そう言って、弾んだ声で話す美雨ちゃん。
相手は蓮君なのだとすぐに想像できた。
あたしはリビングから聞こえる美雨ちゃんの声を聞くまいと、乱暴に冷蔵庫を開けた。
ミネラルウォーターを取り出して、グラスに注ぐ。
「日向ぁ? 大丈夫?」
いつの間にこちらまで来ていたのか、美雨ちゃんが心配そうにキッチンの中にいるあたしを覗き込む。
「あ。うん」
――美雨ちゃんの顔がまともに見れないよ。
「これ……蓮君からだよ」
そう言って、美雨ちゃんはさっきまでしゃべっていた携帯をあたしに差し出す。
正直、今は声を聞くのが辛い。
だけど何も知らない美雨ちゃんは、屈託のない笑顔をあたしに向ける。
そう。
誰も悪くないんだ。
あたしが勝手に落ち込んで一人で拗ねてるだけ。
あたしは美雨ちゃんから携帯を受け取った。
「もしもし……」
しばらくして、どうしようもないほどの喉の渇きを覚え、目を覚ました。
熱のせいで、まだおぼつかない足取りでキッチンへ向かう。
キッチンの横のリビングでは美雨ちゃんが誰かと電話している最中だった。
「うん。昨日はありがとうねー。すごく楽しかったぁ」
そう言って、弾んだ声で話す美雨ちゃん。
相手は蓮君なのだとすぐに想像できた。
あたしはリビングから聞こえる美雨ちゃんの声を聞くまいと、乱暴に冷蔵庫を開けた。
ミネラルウォーターを取り出して、グラスに注ぐ。
「日向ぁ? 大丈夫?」
いつの間にこちらまで来ていたのか、美雨ちゃんが心配そうにキッチンの中にいるあたしを覗き込む。
「あ。うん」
――美雨ちゃんの顔がまともに見れないよ。
「これ……蓮君からだよ」
そう言って、美雨ちゃんはさっきまでしゃべっていた携帯をあたしに差し出す。
正直、今は声を聞くのが辛い。
だけど何も知らない美雨ちゃんは、屈託のない笑顔をあたしに向ける。
そう。
誰も悪くないんだ。
あたしが勝手に落ち込んで一人で拗ねてるだけ。
あたしは美雨ちゃんから携帯を受け取った。
「もしもし……」