ケータイ恋愛小説家
美雨ちゃんは恥ずかしそうに微笑むとコクンと頷いた。
「ちょ……待って。じゃ、蓮君は? 美雨ちゃん、蓮君と付き合ってるんじゃなかったの?」
「蓮君? なんであたしと蓮君が?」
美雨ちゃんはキョトンとして……それからハッとしたような顔をした。
「日向、あたしと蓮君が付き合ってるって思ってたの? それ、誤解だよ!」
「だって……電話とかよくかかってきてたじゃん!」
「ああ……それは……」
何か言いかけた美雨ちゃんの言葉を遮って、幸樹さんが説明を始めた。
「蓮哉に紹介してもらったんだ、美雨のこと」
「えっ……」
「去年、美雨がミスキャンパスに選ばれて雑誌に載ってさ。オレ、それ見て一目ぼれしちまったの。そしたら、蓮哉が幼馴染だっつうからさ。紹介してくれって頼み込んだんだよ」
幸樹さんはその時のことでも思い出しているんだろうか、クスクス笑いながら話を続けた。
「最初は渋っててさ。『紹介とかめんどくせーのヤダ』……とか言ってたのにさ。ある日突然、美雨のアドレスわかったから……みたいに言ってきたんだ。あいつらしいよな。なんだかんだ言って、頼まれたら断れない性格なんだよな」
美雨ちゃんのアドレス……って、多分それはあたしから聞きだしたのだと思う。
あの時、あたしは蓮君に小説のアドバイスをしてもらう交換条件として、美雨ちゃんのアドレスを教えた。
そっか……。
あれは幸樹さんのためだったんだ。
「じゃ……」
あたしはまだ疑問に思っていたことをぶつける。
「美雨ちゃんと蓮君がCD屋さんから出てきたのは? 二人で相合傘してたよ?」
「ちょ……待って。じゃ、蓮君は? 美雨ちゃん、蓮君と付き合ってるんじゃなかったの?」
「蓮君? なんであたしと蓮君が?」
美雨ちゃんはキョトンとして……それからハッとしたような顔をした。
「日向、あたしと蓮君が付き合ってるって思ってたの? それ、誤解だよ!」
「だって……電話とかよくかかってきてたじゃん!」
「ああ……それは……」
何か言いかけた美雨ちゃんの言葉を遮って、幸樹さんが説明を始めた。
「蓮哉に紹介してもらったんだ、美雨のこと」
「えっ……」
「去年、美雨がミスキャンパスに選ばれて雑誌に載ってさ。オレ、それ見て一目ぼれしちまったの。そしたら、蓮哉が幼馴染だっつうからさ。紹介してくれって頼み込んだんだよ」
幸樹さんはその時のことでも思い出しているんだろうか、クスクス笑いながら話を続けた。
「最初は渋っててさ。『紹介とかめんどくせーのヤダ』……とか言ってたのにさ。ある日突然、美雨のアドレスわかったから……みたいに言ってきたんだ。あいつらしいよな。なんだかんだ言って、頼まれたら断れない性格なんだよな」
美雨ちゃんのアドレス……って、多分それはあたしから聞きだしたのだと思う。
あの時、あたしは蓮君に小説のアドバイスをしてもらう交換条件として、美雨ちゃんのアドレスを教えた。
そっか……。
あれは幸樹さんのためだったんだ。
「じゃ……」
あたしはまだ疑問に思っていたことをぶつける。
「美雨ちゃんと蓮君がCD屋さんから出てきたのは? 二人で相合傘してたよ?」