ケータイ恋愛小説家
「蓮君! 死なないで……? 死んじゃやだよぉ……」


もう涙で前がよく見えない。


あたしは蓮君の体を何度も揺すった。


「……っつ……」


一瞬、気のせいかと思った。


だけど確かに蓮君の体から声が響く。


「れ……蓮君?」


「……勝手に殺すな」


聞き慣れた低い声がしたかと思ったら

蓮君は何事もなかったかのように、ムクッとその体を起こした。



き……ぎゃああああああ!


ホッとするとかそんな感情よりも、あたしは思わず後ずさりしてしまった。


こんな風に思うのも随分不謹慎かもしれないけど……。

生きていること自体が信じられない。


あたしの目の前には、頭から大量の血を流した蓮君の姿。


いったい何がどうなっているのかさっぱりわからない。


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