ケータイ恋愛小説家
恋物語の終わりは…
目の前には大きなスクランブル交差点。


あたしは歩道で彼を待つ。


今日はあたしの誕生日で、ヤマジシンイチのライブの日でもある。

あたしはわざと人目につく場所を待ち合わせに選んだ。


照れ屋な彼がどんな顔でやってくるか、想像するだけでワクワクしちゃう。


きっと……もうすぐ来る。




信号が変わって行き交う人ごみの向こうに……




――見つけた!


顔なんて見えなくてもすぐにわかるんだ。

あたしの大好きな緩くウェーブのかかった黒髪。



やがて顔も確認できる――


と同時に肩に担いだ、大きな花束が見えた。



それは両手にあまるほどの……向日葵の花束。


あたしへのバースデープレゼント。

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