あくあまリング

横顔

‘初夏’と言われる5月。

春先から続く強めの風は、GWも過ぎたこの頃には、肌寒さから心地よさに変わっていた。


すでに通勤にも通学にも遅いこの時間は、車も人もめっきり少ない。

ふと風が止み、辺りが無音になると、今日は休日ではないのかと錯覚さえしてしまう。

学校に着いたら誰もいなかったりして…。


「おぅ。」


背後からの聞き慣れた声で、やっぱり今日は平日なんだと思い知らされた。
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