リボンの指輪
自分では、その意識がなかっただけに、驚いてしまう。




「目で追ってた。話だって、田村の話ばっかでさ」




「嘘!」




「本当。気付いてたのに、気付かない振りした。陽菜と付き合えれば、何だってよかったから。だから、俺も悪かった」




こんなにも、想ってくれていたのに。




あたしのこと、本当は好きじゃないのかもだなんて、失礼極まりない。




「でもあたしは別に……」




「ちゃんと考えて。今の陽菜は、逃げてるだけだよ」




「逃げ……?」




「田村に正面からぶつかるのが、怖いんだろ」




優希くんが、優しくあたしの頭を撫でる。




どうして、こんなことまでしてくれるのだろう。
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