リボンの指輪
視線を、頼の指先に向けると、そこには、別世界があった。




夕陽が反射して、輝いている。




「……綺麗……」




本当に感動した時って、大した言葉を言えないらしい。




あたしが言えたのは、その三文字だけだった。




「これで、満足かよ」




「うん!超満足!!!!」




何気なく放った一言で、まさか、こんな場所に連れて来てくれるなんて、思わなかった。




たまには、こういうことも言ってみるものだ。




あたしの場合、“いつも”か。




「綺麗―――……」




出来ればこの景色ももう一度と、あたしは強く、夕陽に願った。
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