リボンの指輪
「それより陽菜、学校は?」




その言葉にはっとして、あたしは時計を見る。




「あ、もうこんな時間!!」




気がつけば、授業開始、15分前だった。




これから急いで向かって、ぎりぎりというところだろう。




「ごめん果歩ちゃん、また今度!!」




「頑張って」




「うんっ!!」




あたしは、果歩ちゃんに背中を向けて、走り出す。




頼ったら、熱下がったばっかで、置いてくことないのに。




そんなことを考えていたあたしは、甘かったのかもしれない。




頼が何を感じているか、全く分からなかった。




言ってくれないと、分からないことだって、たくさんある。
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