君がいた部屋~二階階段前倉庫~


浅間実穂達だった。


だが何故か桜はいなかった。


あたしは無視しながらお弁当を鞄の中に入れる。


構わずに浅間実穂は叫んだ。


「お前の男が屋上で待ってるって!!」


その瞬間、クラスが騒がしくなった。


「三神に男?」


「リスカしてるの知らないんじゃねぇか?」


「その男が切ったんじゃない?!」


「嘘!最低!!」


皆口々に好きな事を言ってる。


陽介君を中傷するような事。


違う…


陽介君は何もかも知ってる。


陽介君は悪くない。


っていうか


何であの子達


陽介君の事知ってるの?


動かないあたしに浅間実穂達が見切りをつけた。


「いいからさっさと来いよ!!」


3人はあたしを引っ張る。


クラスの皆は喋るのをやめ、何もなかったかのように静かになる。


あたしはそんな教室を後にする。


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