君がいた部屋~二階階段前倉庫~


桜はあたしにいろんな事を教えてくれた。


勉強ばっかりしてて、何にも知らないあたしに、嫌な顔せず常識を教えてくれた。


ドラマや歌、ファッションに小説、化粧…、


あたしはどんどん「当たり前」の事を覚えていった。


それで、あたしは桜に言った。


「あたしって、マジでつまんない人間だね。」


本音だった。


生きていく為に必要な事って勉強だけだと思ってた。


それ以外のことなんて、無駄なものだと思っていた。


でも違った。


あたしが無駄だと思ってたのは、すごく必要なもの。


知らなきゃ人生全然楽しくないようなキラキラしたものだった。


そんな事を全く知らないあたしは酷くつまらない人間だ。


「美羽は全然つまんない事ない!」


あたしは驚いた。


だって桜が怒ってる。


「桜…」


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