秘密の片思い
「とにかく、明日話してくるから きっとすぐに会いたがるぜ?」


「う、うん」


朝倉家は愛の中流家庭に比べようもないほどセレブな家族だ。


日菜の家は朝倉家に釣り合うくらいお金持ちだけどうちは違う。


千波に会うのでさえまだ慣れないのに、朝倉の両親に会う時にはどうなっちゃうんだろうと愛は心配だった。


高校3年の冬、北海道旅行を関係ないあたしと梨絵にポンとプレゼントしてくれたお母さんだ。


(一度、日菜の結婚式でお会いした事があったっけ。あの時は挨拶程度の言葉しか話していない 男の子2人を育てたように見えないくらいおっとりした感じに見えた)


日菜の口からは姑の悪口は聞いた事がない。


もともと、日菜はそう言う事を言わない子だけど嫁と姑の関係がうまくいっているみたいと思っていた。


それは人事(ひとごと)で、まさか自分が家族になろうとは思っても見なかった。



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