秘密の片思い
愛のお腹は膨らみかけているのでウエストの絞られた物は無理だ。


そうなるとドレスの数も限られてしまう。


時間があればオーダーメイドにするのにと隣で郁斗がブツブツ言っている。


純白のウエディングドレスはどれも美しいが一つ一つ個性がありデザインも素材も様々。


「一度、お袖を通されれば良いかと存じますが?」


コーディネーターの女性が愛に助言する。


「そうですね・・・じゃあ、このドレスを試着させてください」


愛はひと目見て気に入ったドレスを指差した。



広いフィッティングルームに愛とその女性が入ると郁斗は手持ち無沙汰になってソファーに腰掛けた。



ガラスのテーブルに置かれていた雑誌を手にして目を通す。




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