秘密の片思い

流産

手術室の前には愛の家族と郁斗の家族がいた。


愛の母親は泣き崩れて郁斗の母親に慰められている。


郁斗が姿を見せるとそこにいた者は安堵したように見えた。


郁斗は何も言えずにただ手術中の赤い色を見る。


愛・・・・。


郁斗は気が狂ってしまうのではないかと思われるくらい心配した。


手術の赤いランプが消えるまで郁斗はうろうろと歩き回ったり、ベンチに座って頭を抱えたりと見ているものはいたたまれなかった。


愛の母親は途中で気分が悪くなり郁斗の母が付き添って別室で休ませている。



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