秘密の片思い
愛が何度も瞬きをする。


注射の効果が現れ始めたのだ。


急な眠気に襲われた。


「嫌だよ・・・眠りたく・・な・・い・・・」


呟きは小さな声になっていく。


「愛、今は眠った方がいいんだ・・・・」


まぶたを閉じた愛の髪の毛をそっと撫でる。




「愛ちゃん・と郁斗・・・可哀想・・・」


日菜は千波の腕に抱かれて泣いていた。


「大丈夫だ 2人は乗り越えられる・・・」



眠りに落ちた愛の傍に力を失ったようにイスに座った郁斗。


見ていられず日菜と千波は静かに出て行った。





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