秘密の片思い
ビリヤード室には一組のカップルしかいなかった。


「郁斗、あたし見ているからやって」


愛は手に包帯をしているため、もっぱら郁斗のプレーを見ていただけだった。



* * * * * *



「あ~ 腹減った」


結局、1時間はビリヤードで楽しんだ郁斗だが愛はそんな郁斗を見ているだけで良かった。


休憩していると部屋の中のカップルがやってきた。


「あの~ サッカー選手の朝倉 郁斗さんですよね?」


若い青年が声をかけた。


「そうですが?」


「うわっ!俺っ、ファンなんです こんな所で会えるなんてすごくラッキーです!良かったらサインいただけませんか?」


プライベートを邪魔されたくなかったが郁斗は快く応じた。



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