秘密の片思い
「愛っ!」


倒れそうになった愛を支える腕は郁斗のものだ。


「郁斗・・・どうしたの?あの女性は?あたしを知っているの?」


「愛、落ち着けよ 彼女は愛が働いていた時の同僚で、愛が記憶を失くしている事を話したんだ」


愛から離れた事を不自然に思われないように郁斗は言った。


「待って!あの人、行っちゃうよ?」


愛は涼子が去っていくのを見て焦って言う。


「記憶が戻ったら会いに行けばいい」


「郁斗・・・」


愛の心に不安が広がった。


どうしてあたしを見て驚いたの・・・?




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