秘密の片思い
書斎に入った郁斗は部屋の中をうろつくばかりだ。


離婚だって!?ふざけるな。


罪悪感で離婚を口にしたのはわかる。


だが、俺の気持ちは?


お前の気持ちは?


簡単に離婚を口に出来るほどの結婚だったのか?愛・・・。


流産を隠したのは失敗だったのか?


愛を守ろうとしたのが返ってこんな結果を招いたのか?


とにかく愛は今、考えられるほど冷静じゃない。



* * * * * *



郁斗は書斎を出てリビングに入ると兄の膝の上に頭を乗せて日菜は眠っていた。


「あ・・・ごめん・・・」


郁斗は謝ると千波はフッと笑い、立ち上がって日菜を抱き上げた。


「頑張れよ」


一言だけ言って出て行った。



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