秘密の片思い
「郁斗、トレーニングあるんでしょ？行って来てね」


食卓にはトーストとスクランブルエッグ、サラダ、ウインナーが並び、仕度を終えた愛は席に着くと言った。


「本当に？本当に大丈夫か？」


そう聞く郁斗は心配な顔になった。


「大丈夫　日菜にも迷惑かけちゃったから会って話しをしたいし」


「・・・じゃあ、行って来るよ」


トーストを一口かじった時、テレビから朝倉郁斗選手と言う声が聞こえてきた。


愛がパッとテレビを見る。



『朝倉選手に移籍の話が出ているそうですね』


女性キャスターが言うと、スポーツコメンテーターが頷く。



『そうなんです　彼は素晴らしい選手ですからね～　ブラジルでも活躍していましたし、全日本でもチームを引っ張っていました。彼ならどこへ行っても活躍できる選手ですよ』



絶賛している声もわずかな話も聞き漏らさないように愛は集中して聞いた。




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