秘密の片思い
郁斗が出てくるのを今か今かと待っているとバッグの中の携帯が振動した。


愛はハッとしてカバンの中をごそごそと探し携帯を取り出す。


着信は現在付き合っている彼 林(はやし)祐一郎(ゆういちろう)だ。



「祐(ゆう) どうしたの?」


同い年の祐一郎も愛と同じ雑誌社で働いているカメラマンだ。


『愛、今日は何時に終わる?』


「祐、まだまだめどが立たないよ」


『そっか、俺、今終わったんだ』


「今日はだめ ごめんね 祐」


そう言った時、扉が開き長身の青年がスーツケースを積んだカートを押して出て来た。




< 6 / 646 >

この作品をシェア

pagetop