秘密の片思い
聞いた通りに30分後、愛の携帯に祐一郎から電話がかかった。


『着いたよ』


「すぐに行く」


愛はバッグを手にして部屋を出た。


マンションを出ると道路に祐一郎の白い四輪駆動車が止まっていた。


アウトドアー派らしく、メガネをかけた外見とは印象が違う。


車の外に寄りかかるようにして待っていた祐一郎は愛を目にして軽く手を上げて笑った。


(祐・・・笑わないで・・・・)


これから別れを言わなければならない愛としては祐一郎の笑顔はつらくなる。


「お待たせ・・・・」


「待ってないさ 乗って」


祐一郎は助手席のドアを開けた。




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