死言数
隣の会話
いつもならヘッドフォンをしているのに、今日は明菜の耳にヘッドフォンはない。理由は簡単だ。駅に着いた途端、ウォークマンの電池が切れたのだ。昨日、飲んで帰ったせいで充電を忘れたせいだろう。会社に行けば、USBに繋いで充電が出来る。帰りは自分の世界に浸れる。そう思っていた。
たまにヘッドフォンをしないと、実に不思議なものだ。色々なものが、明菜の中に染み込んでくる。隣の駅から乗ってきた女子高生達の会話もそれだった。
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