運命

オサナナジミ



東京には勝らずとも、十分な大都市を誇る大阪の街。







そんな大阪の小さな病院で生まれたあたし・
大嶋月琉《オオシマカナル》は今、小学4年生。







「月琉ーっそろそろ起きやーっ」






毎朝、目覚まし時計よりうるさいお母さんの声で目を覚ます。






「ん~~っ…」





目をこすりながらあたしはベッドから降り、リビングに向かった。







「おはよっ」




バタバタと仕事に行く用意をしながらも、あたしに声をかけるお母さん。





「ぉはよ…」




小さな声でそう呟き、いつもの席に座った。





「………」


無言であたしの隣りに座ったのは、妹の遥《ハルカ》。







まだ頭が覚めきれていないらしく、ボーッと一点を見つめている。








あたしはそんな遥に声をかけることもなく、用意された朝ご飯に手をつけた。









あたしの家族は、お母さん・遥・あたしの3人。







お父さんは…


あたしが小さい頃に離婚して、今ではもう顔も覚えてない。








3人でも別に不自由はしていないし、十分幸せだとあたしは思っている。






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