君への距離
「あっ…杏ちゃん!」息を切らして翼がやってきた。

杏を追いかけてきたようだ。




「杏ちゃん、早いんだもん!」
翼は優しい声で言った。


「なんか様子おかしかったから、気になって…」




「あはは…なんかびっくりしちゃったの!」
そう言って杏は笑った。



「雑誌にのってたって、まさかモデルさん?」

翼のその的はずれな言葉に杏は吹き出してしまった。




「翼くん、最高!!」
杏は笑い転げた。

翼はそれを見て少し安心した。

そして少し不満そうな顔をして、

「本気で言ったのに、ヒドイなぁ。」

と言って笑った。





ふたりはひとしきり声をあげて笑いあった。


心からの笑顔だった。



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