君への距離
「杏ちゃん、強いな…。」




「え?」




「僕も…、杏ちゃん程じゃないけどケガしたんだ。肘壊しちゃってさ、3年最後の大会の前に引退したの。」




「後遺症残るって言われたときに、もう野球はやめようって決めた。今やっても、コントロールも球速も思った通りにならないし…」



「でも、この前すごかったじゃん!あんなにすごい球、投げてたじゃん!」
杏はそういって優しく微笑んだ。






「ありがと…」
翼は照れたように、そう言った。




杏は続けた。
「翼くん、野球やろうよ!全国目指してみようよ!!」






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