君への距離
リョースケ
「いいやつだといいなぁ~。」

マサキ
「だな。エースだったからって偉そうにされても困るよな!」

ケンちゃん
「チームは家族!」


「ケンちゃん、いいこと言うね~。それみんなの帽子の裏に書こうよ!」

ケンちゃん
「書く書く~!」

アツシ
「チビっこたちはほっといて、グランド整備するぞ!」

全員
『は――い』




みんなはそれぞれやるべきことをこなしていった。

トンボ掛けしたり、ベースを埋めたり、ライン引いたり…


杏もボール磨きを再開した。



チラッと机に置いたケータイの時計を見た。


7時5分前…

もうそろそろ先輩たちもやってくるだろう。





グランドに一礼して入ってきたのは3年生の原田さんだ。
いつも礼儀正しく、練習も真面目にこなすみんなのお父さんのような存在だ。


「杏ちゃん、おはよう。」


「おはようございます!今日来るんですよね?原田さんの後輩の人…」


「ああ、うん。たぶん来てくれると思うんだけどなぁ。」




「おは――!!」


次にやって来たのは同じく3年生のキャプテンの山下さん。
「杏ちゃん、今日もかわいいね!」


山下さんは気さくで面白い人だ。
社会人野球から大学に編入してきたこともあり、実力は群を抜いている。レッド唯一のホームランバッターだ。


「おはようございます!」
元気よくやってきたのは2年生のタクさんとヨースケさんの二遊間コンビ。
背格好や雰囲気がとっても似ているのでみんなよく間違えてしまう。




その後も2年生のカズさん、ケイタさん、コウスケさん。

ちょっと遅れて3年生の緒方さん、鈴木さん、中川さんがやって来た。



以上16名がレッドストロンガーズのメンバーである。
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