良と遼〜同じ名前の彼氏〜
ファーストキス
遼平の黒いスウェットは身長152センチのあたしにはぶかぶかで、おさえていないとずり落ちてしまいそうだった。


部屋に戻ると、遼平は布団でうつ伏せになりながら煙草を吸っていた。


あたしを見ると枕元のドライヤーを投げてよこし、


「奈美、お前ちびっこだな」


と笑った。


あたしが髪の毛を乾かし終わると、遼平は布団を半分めくった。


少しためらったけど、あたしは遼平の隣に滑り込む。


あたしは良ちゃんと手すら繋いだことがない。


当然、男の人と一つの布団で肩を並べるなんてあるわけがない。


「奈美、手だして」


うつ伏せに肘をついた大勢で、遼平があたしの方に手を伸ばした。


言われるままに差し出したあたしの手を、徐に遼平は掴んだ。
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