良と遼〜同じ名前の彼氏〜
雨は昨日の夜更けから降り続いていた。


何度も遼平の夢を見て目が覚めたけど、しとしと規則正しく降り注ぐ雨のリズムに誘われるように、あたしはまた眠りに落ちていった。


夢でもいいから遼平に会いたかった。


ようやく重い体を起こしたのは、お昼をだいぶ過ぎた頃だった。




昨日、夕方に帰ってきたあたしをお母さんは一言も責めなかった。


「おかえり奈美、今日はご飯食べるの?」


と当たり前のように尋ね、あたしも


「うん、食べる」


と返した。


夕飯の後、二階に上がろうとしたあたしの後ろから、


「ごめんね、奈美」


とお母さんの声が追いかけてきた。


「あたしもごめん」


振り返らずに二階に上がった。
お母さんの顔を見たら涙がこぼれてしまいそうだった。
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