良と遼〜同じ名前の彼氏〜
舞い上がる風
泉森公園の、桜が満開。
朝から小雨の降るその日は、まだニットが手放せない肌寒さが残っている。


3月。


「ねぇ遼平、本気でジャージで行く気!?」


「当たり前だろ。
それよりよ、新幹線の切符ってどうやって買うの?」


東京駅の構内を、早歩きで人混みを掻き分けながら、遼平は子供のようにキョロキョロしていた。
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