記憶のカケラ
「んじゃ、行こっか?葵のお母さん、いきなり娘が家に現れてビックリするかもねっ」
そう言いながら、いかにも待ち遠しそうにクスクス笑っている唯花。
「ねぇ、唯花?この写真の男の子……」
「へ?どれ?」
「これこれ。私と手繋いでる男の子」
写真を暫く眺めながら、唯花は過去の記憶から探り出す。
「……あぁ!この子、確か葵の親戚の子供だよっ?1つ年下だけど、この日だけは葵にべったりだったっけかなぁ」
その言葉を聞いて、なんとなく思い出した気がする。
なんだ…、功って人じゃないんだ……。
…って、なんでこんなに気になってんだか。
私は再度写真を戻すと、罫の家を出て、唯花と一緒に久々にわが家へと向かった。