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「ひとりで飲むつもり?」


振り返った目の前にあったのは胸板でその上方からは低く柔らかな声。


私はこの声が好きだった。
間違うハズがない。
だから、いきなり思いがけない問いかけにびっくりし過ぎて、返す言葉が出なかったんだ。



「もしかして、怒ってる?」


「……あ、……いや。なんで?」


そんな困ったような顔されても、こっちが困る。


「電話に出てくれない」


「……あぁ」


携帯の着信が沢山残っていたことを思い出す。
見てすぐに、折り返し掛ける気にはさすがにならなかった。





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