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慌てて「持てるよ、大丈夫」って返したけど、一瞬触れた指先に心臓が移ったみたいに意識してた。
「……ありがとう」
ぼそっと呟くようにしか、返せない自分にいらだちすら憶える。
「これぐらいどってことないよ」
なんだか照れくさくて下を向いたら、両手の塞がったアキトが私の歩幅に合わせて、歩いてくれてるのが解った。
ゆっくり私の中に染み込む優しさが気持ちいいのかもしれない。
ナオヤの上機嫌な鼻歌が聞こえる後ろを二人並んで歩くのがなんだかくすぐったいくらい嬉しかった。