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「とりあえず煙草吸ってもいい?」と前置きした上で私にも一本勧めてくれた。

吐き出した紫煙の心地のよい匂いに安心する気がした。

煙草のせいなのか、アキトのせいなのかはやっぱり分からない。

だけど、この匂いイコールアキトの構図が私の頭の中で出来上がりつつあるのは否定しない。



「てか、ホントに聞きたい? ある意味、俺のトラウマなんだけど……」


覗き込むように首を傾げた眼差しはからかっているようには思えない。


「話せるなら聞くけど……」


トラウマになるようなことってなんだろう?
本当は聞いちゃいけないんじゃないだろうか?


そんな私の心配をまたもや裏切る台詞だった。





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