日だまりの中で
私は 泣く事も叫ぶ事も出来ないほど 身体全体の痛みがあったが
煙草の火の痛みは 身体だけではなく 心まで貫く痛みだった

「これ 喋ったら髪の毛焼いちゃうよ」

そう言うと 私の手を縛っていた紐を カッターで切り 部屋から出て行った

私は 教室には戻らず体を引きずるように 小鳩園の自分の部屋へ帰った

体も 制服もぼろ雑巾のように 汚れていたが そのままベッドに入り 深い眠りに落ちた

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