空色パステル

―悲しみの記憶



『―ごめん
今日会えなくなった…

ほんとごめんね…』



遼の言葉。

「……そっか…
大丈夫だよ^^」



寂しいけど……


って言いかけてやめた。
遼に迷惑かけるから…


無理矢理、笑顔を作って
精一杯の明るい声で言った。

………つもり




『―ほんとにごめんね…
ばあちゃんのお見舞いに
行くんだって…

ごめん…また今度会お?』




「そっかぁ…
それなら仕方ないね…

おばあちゃんが
すぐ元気になれるように
応援しなきゃ!…


大丈夫だよ★また今度…」





電話越しに謝り続けるあなた。


明日会えないのは寂しいけど
仕方ないもんね…


それくらい我慢しなきゃ





遼はあたしだけのものじゃないから。


あたしが一人占めしていいわけじゃないから。





ツーツーツー…


「ばいばい」

と言って電話切ったあとの音が空しかった…



やけに大きく響いて、
心にずん、とのしかかる。






だめだよ、美緩。

わがまま言っちゃ…




自分で自分に言い聞かせる。





楽しみにしてた、冬休み



それが楽しくなくなった。

遼に会いたいよ…




部活でも会えないんだよ?


何も話せないんだよ?




だったらせめて今日くらい……








だめだよ…
あたしはわがままを言える立場じゃない






遼のおばあちゃんが
早くよくなることを願うんだ。


そうすれば、遼の家族が
笑顔になる。



あたし一人の笑顔と
遼の家族の笑顔を選ぶなら

どちらを選ぶ?





あたしは弱虫だから…






本当の悲劇はこれからだとも
何一つ知らずに…。









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