♥兄恋♥
「乃愛?」

スリガラス越しに遼が見える。

「大丈夫そうか?」

「遼…」

「ん?」

「あたし遼のこと好きだよ…でもっ…」

「福山の事は、俺も悪いんだ乃愛がいいならって」

「遼、あたし体中真っ赤なの。」

「…。」

「こんな体遼に見せられないよ…」

「大丈夫。傷はいつか消えるから。乃愛もいつか笑える日が来るから。俺その日まで待ってるから。」


「わかった。」





大好きだよ、遼。

優しい、遼。


「大好き…」

「なんか言った?」

「もうあがるから。」

「ここにいてもいい?」

「だめに決まってるじゃん!」

遼が出ていったのを確認してあがった。

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