ラブホを巡る冒険
怒りの炎がメラメラと。
チラリとカトさんを見ると、ケンシロウバリに二の腕を震わせている。
青白い皮膚の下から、動脈が浮き出ている。
そういや、この人、中高野球部。
屈強な氏の肉体。
その気になればガキどもなんて半殺しだろう。
だが、温厚なカトサンは何かを言いたげに、口をボソボソと
震わせながら、目はウツロ気味。


カトサン、頼むよ。
何か言ってやってくれ。

「ゲ・・・・」

動揺し、間違っても、「元気玉!」なんて言わんといてよ。
「ゲスヤロウ」とか、何でも言ったってくれ!



カトサン「ゲ、ゲ・・・ゲイじゃないよー~!!!ゲ、ゲ・・・ゲイじゃないよー~!!!」」
ハイティーン「ガッハッハ!!」


オイオイ、それじゃあ、俺たちがゲイだって言ってるようなモンじゃねーか!


高倉健だってそこまで不器用じゃねーよ


もう、よくわからん。
どうにもこうにも五里霧中。
コッチも酔ってる。
どうでもいいよぅ。



***


二店目。

塩沢ときを髣髴させる、オバハンが、フロントの
怪しい光に照らされている。

ブランドものの衣装を身に着けた彼女。

はて、亭主は海外出張のエリート駐在員で、
シゲキを求めて、この小汚いラブホで働いているというのか。

まあいい。


ボク「すんません。部屋開いてますか?」
塩沢「お断りします」
ボク「どうしてすか?」
塩沢「男性同士だからです」
ボク「男性同士はどうしてダメなのですか?」


塩沢「ダメだから、ダメでございます・・・」
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