赤い糸
忘れない

―あの日の思い出

名前も、顔も同じ。


仕草や、シャンプーでさえ…変わらないというのに。


赤坂は俺のことを知らない。


ただ、中学校で初めて会ったクラスメイト、だけ。


「やっぱさ、新しい恋しようぜ?」


「遠慮しとく」


「おいおい…」


俺は赤坂以外見れない。


もし本当に運命の赤い糸なんて物があるなら、きっと俺は赤坂と繋がってる。


…そう、信じてる。







学校が終わり、1人の帰り道。


そんな時はいつも、あの日を思い出す。


抱きしめた体。


頬に触れた柔らかい髪の毛。

< 13 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop