4748日後のクリスマス


「プレゼント、ちょうだい」


「へ」


突然キョーちゃんがそんなことを言うから、あたしは間抜けな声を出してしまった。



「持ってきてるんでしょ、貰い損ねたプレゼント」



そう言われて、掴んでいるプレゼントだということにやっと気付いた。



「あっ、これ!」


急いでそれを渡すと、キョーちゃんは照れ臭そうに受け取った。



「やっぱ13年前に貰っとけばよかった。
楽しみとか言ったけど、すごい馬鹿なことしたって後悔してたよ」


プレゼントのリボンをほどきながら、キョーちゃんはそう言った。





「……美菜はさ、あれがプロポーズだってこと知ってた?」


「へ」



またもや間抜けな声を出したあたし。

…今、超重要なことを言われた気がするんだけど。



「プ、プロポーズって…
誰が、誰に?」


「俺が美菜にだよ。
超恥ずかったんだよあれ。まーはっきり言わなかったのが悪いんだけどさ…」



ちょっと待ってよ。

あたし、自惚れるよ?

だってそれって、キョーちゃん…


< 29 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop