梟~幼少編~
リリリリリン

授業終了のベルが教室に鳴り響き、子どもたちは帰る支度をする。

梟悦の幼馴染みの劉真生は今日も来なかった梟悦の机を見ていた。
「まーおっ!今日もあんたのダーリン来なかったわね」
「ゆっちゃん!だ、ダーリンだなんて…!」

からかってきたのは同じクラスメイトの結凛。
真生は顔を赤らめた。

「赤くなっちゃって。にひひ」
「もう、からかわないでよ」

「真生」

いきなり担任の朴先生が真生を呼んだ。

「なんですか」
「これを梟悦の所へ持って行ってくれないか」
「配給のお弁当ですね」
「すまんな、いつも頼んでしまって」
「別に大丈夫ですよ。帰り道ですから」

頼んだよと言って先生は教室を出て行った。

「ひゅーひゅー」

後ろでまた結凛がはやし立てた。

「ゆっちゃん!!」





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