真冬の花②
「ごめん羽菜さん…
携帯、ずっと繋がんないし…怒ってるよな?
もしかして他にも何かあったんじゃないかと…
でも良かった…」
俺は一気にまくし立てて。
ぎゅっと羽菜さんを抱きしめた。
相変わらず、俺の腕にすっぽり納まってしまう羽菜さんが
堪らなく愛おしくて。
離したくなくて。
無理してるのが解る笑顔で『怒ってないよ』って言う姿に胸が痛くなった。
本当にバカだよ俺は。
その時
細い羽菜さんの腕が、
俺を抱きしめ返してくれた。