妹の恋人は姉の彼氏の従弟
朝四時
床に敷いてある布団の上から
けたたましい音が鳴った

私はびっくりして
目を覚ました

起き上がって
私は初めて
眠りについていたと
気がついた

枕の下に手を突っ込んで
すやすやと気持ちよく寝ている大男を
乗り越えると
布団の上で鳴っている目ざまし時計を
止めた

今どき目ざまし時計って…
携帯の目ざまし機能を使わないの?

…って
もしかしてこの目ざまし時計
実家からの持ってきたのかしら?

今度は敷き布団の足もとから
ジリリリと
五月蠅い音が響いた

心臓が口から
飛び出るかと思った

慌てて時計を探すと
これも音を消した

これも持参?

今度は私のスポーツバックの脇から
電子音が鳴り響いた

「うわっ!」

もうないだろうと
油断した私がばかだった

三つ目の時計が鳴りだした

「うるさいんだよ!」

隣の寝室から出てきた廉人さんが
大声で怒鳴ってきた

ドアを開けてはいってきた廉人さんの姿に
私は空気が裂けんばかりの悲鳴をあげた

「何かあったのか?」

素早く身を起こした海堂彰吾が
ベッドから出ると
廉人さんと私の間に割って入った

「どうした?」

海堂彰吾は私の顔を
心配そうに見ていた
< 12 / 133 >

この作品をシェア

pagetop