妹の恋人は姉の彼氏の従弟
「一つ質問してもいいですか?」

夕食の最中
私は目の前に座っている廉人さんの顔を見た

廉人さんは首を傾げると
私の目を見つめた

「どうして海堂彰吾と同じ部屋なんです?」

怒りの腹の奥底に沈めて
質問をした

「だって部屋数に限りがあるから」

廉人さんは爽やかな笑顔で口を開く
海堂彰吾は
私の隣で肉じゃかが頬張って頷いていた

「ほら、紫音だって嫌がるじゃない
おかしいわよ
男女で寝る部屋が一緒なんて!」

お姉ちゃんも私の考えに賛成のようだ
廉人さんの腕を掴んで
抗議した

「んじゃ、このマンションの空き物件を
探すか?
そうすれば彰吾と紫音ちゃんの部屋を
別々にできる」

「それってさ
同じ家に住むのは私と海堂彰吾ってこと?」

「なんで俺が野郎と
一緒に暮らさなくちゃいけないんだよ
彰吾だって紫音ちゃんがいいだろ?」

「ああ」

「ほらな」

廉人さんは納得したように
箸を上下に動かした

「二人が勉強するのに居間を使えば
寝室が一緒なくらい
何の問題もないよ」

さらりと言う廉人さんに
お姉ちゃんの目がつり上がる

「何の問題もない?
あるでしょ!
未成年の男女が同じ部屋で寝るなんて
おかしいわ
間違いがあったらどうするの?」

「責任は彰吾がとるだろ
な、とれるだろ?」

「とれる」

無表情で海堂彰吾が頷く

「未成年たって
善悪がわからない餓鬼じゃないんだ
大丈夫だろ」

「どこが?」

お姉ちゃんの低い声に
廉人さんは困った顔をした
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