妹の恋人は姉の彼氏の従弟
再び目が覚めると
部屋は真っ暗だった

体を回転させながら
枕の下にある携帯を探す

液晶画面を明るくすると
時間を確認した

10時だった

熱があるときって
なかなか眠れないものだけど

ぐっすりと
寝た気がする

体を起こすと
パジャマが汗でぬれているのに
気がついた

シャワーでも浴びようかな…

私は首筋をかきながら
ベッドから足をおろした

真っ暗な部屋の中に
大きな黒い物体が横たわっていた

え?

今日は一人で寝たんだ
敷布団の上で
ごろりと大きな体を投げ出して
海堂彰吾が寝ていた

掛け布団は
私のベッドの上にある

寒がっている私に
布団を譲って
海堂彰吾は
ジャージを着こんで寝ていた

私は海堂の顔を覗き込んだ

今なら抓っても平気かな?

私は手を海堂の顔へと近づける

「体」

「へ?」

海堂の口から言葉が出たのに
私は驚いて
声を裏返した

「平気か?」

「え…あ、あぁ」

「熱は?」

「測ってないから」

「はい」

海堂は手を伸ばして
体温計を手に取ると
私に渡してきた

「え?」

「廉兄から借りておいた」

「ありがと」

私は体温計を借りると
脇の下にいれた
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