妹の恋人は姉の彼氏の従弟

放課後の玩具

「へへっ、紫音!」

着替えるのが面倒でジャージで
帰ろうとした私の背中に

蓉子が抱きついてきた

「汗くさっ!」

蓉子が鼻をつまむ

失礼な奴だ!
確かに汗のにおいはするかもしれないけど…

「一人で帰るなんて
だ、め、よ」

蓉子がウインクをした

「はあ?」

「私が恋のレッスンをしてあげる!」

「必要ないし!」

「必要よぉ
恋の勝利者になりなさい」

「めんどー」

「バスケの勝利者になったって
人生の落ちこぼれになるのよ

人生の勝ち組と言われている人たちは
恋愛だって上手にするわ」

「勝ち組ね~」

私は廉人さんを思い描いた

確かに
恋愛も上手にしてる

いや…あれ…
う~ん
上手にしているというのだろうか?

出会いが出会いだったし…
お姉ちゃんもお姉ちゃんだし

駄目だ
こういうのは
考えても答えは出ない
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