青春ing

#麗しの高校生モデル

「美隼(みはや)ちゅわ~ん!今日はボクとデートしてくれるんだよねぇー?」

「いやいや、美隼は俺と約束してんだって。ブタは引っ込んでろ。」

「ぬぁ、ぬぁんだとぅ!?お前、ボクに歯向かうとどうなるか分かってんのかぁ!?」



 ――あぁ、こいつら殴りてぇ。毎日毎日コレってどうなの。誰ともデートしないし、付き合わないって言ってんだろ。事務所の方針だっつっても聞かねぇのか、この万年発情期の野郎共は。

 ハハハ、という乾いた笑いが思わず洩れる。誰か助けてくんないかな。この格好で一暴れすると、こいつら更に喜ぶからなぁ……

 そう心で呟く自分が着ているのは、百年の歴史を持ちながらも“可愛い”と評判の、オーソドックスな紺に白スカーフのセーラー服。別の服に着替えてしまえば良いことだけど、残念ながら替えの服達は教室にある。「バイト料出すから!」という言葉に乗せられるんじゃなかった、と後悔した。

 ていうかこのブタ、勝手に“ちゃん付け”してんじゃねぇよ。名前すら知らない奴に胸中で悪態をついていたら、イギリスで見られる兵隊の行進さながらのセーラー服集団が登場。内心とてもホッとしたけど、さりげなく無表情を装った。
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