【実話】ありがとう…。
「はーい。今、行きます」


お寺に持って行く物を準備して、一通りの用意が終わった。


「じゃあ、そろそろ行こうか」



「はい」


タクシーに乗り、お寺に向かう。


お寺に着くと、智兄や親戚の人も丁度来て、挨拶を交わす。


「望ちゃん、久し振り!少しは体調良くなったかい?」



「はい。お陰様で少しずつ良くなってます。智兄は、相変わらず仕事忙しいんですか?」



「うん、仕事は相変わらずかな。体調良くなって良かったな!今日は、態々すまないね」



「いえ、気にしないで下さい」


お寺に入り、用意を手伝う。


用意が終わり、一息付いていると、来ていなかった親戚や友達が次々とやって来る。


時間になり、法事が始まった。


お経が読まれ、手を合わせる―。


たかさん。


私はもう、大丈夫だから。


ちゃんと生きて行けるから…。


たかさんが亡くなったあの日から、死ぬ事ばかり考えて、心配掛けたけど、今はちゃんと一人で立って居られるから。


もう、私の心配は要らないよ!


これから先、私はまた恋をすると思う。


たかさんの事、忘れる訳じゃないから。


たかさんは、私の心の中でずっと生き続けてるから…。


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