【短編】少年A・少女A
「早く捕まったらいいよね。それじゃなきゃ登校とか遊べないし。つまんないよ。」
「だよねぇ」と友達だ口を揃えて頷いた。
少女の口内にはイチゴ味が広がる。
窓の外は青い美しい空。
なんでだろう。
なんでイチゴ味じゃないのかな?
なんで鉄の味がするのかな?
なんでだろう?
なんでだろう?
なんで世界が赤いのかな?
イチゴ味の吐息がかすかに教室に広がった。
少女Aは赤い世界の中で鉄の味のするキャンディーを舐め続けた。
【少女A.end】