X'mas Night[短篇]




少し赤くなった哲平の顔。



「何よー…。いきなり。」

「お前が悪い。」

「なっ!?」




わ、私が悪いって…




「マジむかつく。…他の男に触れられてんなし。」

「…!」

「お前は俺の、だろ?」



そう言うと哲平が
再度私の腕を引き、力強く抱きしめた。




「…哲平」



チャララ~♪


ちょうどその時、
大きな音楽とともにあたりがぱっと明るくなった。




「わあ~…綺麗」

「…ちっ」



あたり一面がヒロとりどりの光で照らされる。



「凄いっ!!」


どん、と哲平の胸を押し
ツリーの方へと体を向ける。



「…タイミング悪。」

「ほら、哲平も見て!」

「…はいはい。」




空からはふわふわと雪が
舞い降りてきた。



光と雪。
見たことも無いくらい綺麗だった。





「朱実、手。」

「あ、…え、う、うん!」

「もう、手離すなよ。」




しっかりと繋がれた手に
少し頬が染まる私。



「離さないよ。ずっと。」

「上等。」




12月25日。
哲平と過ごせて凄く幸せ。




にっと笑った哲平に
私は握る手に力を入れた。





「…もう少し見たら帰るか。」

「え!?まだ…まだ予定あるのに!」

「こっからは俺のリードに従えよ」



有無を言わさない、そんな
顔で見つめられ私は仕方なく頷いた。



なんとなく、予想がつく…ような?



「一晩中、な?」

「…うぅ!!」



ほら、やっぱり。
今夜は寝れそうにないみたい…。










「朱実、メリークリスマス。」


哲平からの甘い言葉を
もらったのはやっぱりベッドの中で。










END


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