おかんの手料理 ~7人のハチャメチャ物語~
 何年も健康だった、父さんが風邪……。

「うん。遅いね。あっ、ところで、バイトはちゃんとやってるの?サボったりなんかしてない?」
「母さん、僕を信じてくれよ。てか第一、ちゃんとやってなかったら、ここに
住めてないだろ。追い出されてるよ」
「それもそうね。んじゃ、そろそろ切るね。あんたも、こんなババアと長ったらしくしゃべりたくないでしょう。それに、疲れてるだろうし」
 
 そんなことはない。できれば、もっとしゃべっていたいくらいだ。

「切るわよ。じゃあね」


 ……。


 何だろう。

 ちょっとだけ、モヤモヤが消えたような気がした。
 
 ちょっとだけ、足りないものが埋まったような気がした。
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